コインランドリー事業を始める際、多くの方が直面するのが「新品を導入するか」「中古機器を導入するか」という選択です。どちらを選ぶかで必要な資金、リスクの種類、そして投資回収までの期間が大きく変わります。本記事では、新品・中古それぞれの初期費用の内訳、標準的な収支モデルに基づく回収期間のシミュレーション、さらに両者のリスクと運用で利益を安定させるポイントを解説します。これから開業を目指す方や追加投資を検討されている方の意思決定にお役立てください。
初期費用の全体像 — 新品と中古で何が違うのか
開業に必要な初期費用は大きく分けて次の項目に分類されます。機器代の差が最も大きく影響しますが、工事費や内装、諸経費も無視できません。
主な初期費用の内訳(代表例)
- 機器本体の購入費用(洗濯機・乾燥機等)
- 設置・工事費(電気・ガス・給排水)
- 内装工事(床、壁、照明等)
- 開業諸経費(保険、許認可、広告など)
ここでポイントは、新品と中古で最も差が出るのが「機器本体の購入費」という点です。その他の工事費や内装費は、導入形態に関わらず一定程度発生します。
新品機器の初期費用(目安)と特徴
新品を選ぶ場合、機器本体の費用は高額になりますが、保証や安定性がメリットです。代表的な目安は次のとおりです。
新品導入の目安(小規模店想定:洗濯機4台・乾燥機4台)
- 洗濯機(1台):約60〜120万円
- 乾燥機(1台):約50〜90万円
- 設置・工事費:合計で50〜100万円程度(配管・電気等)
合計(機器+設置・工事+その他):約500〜940万円
新品の長所
- メーカー保証が付くため初期の故障リスクが低い
- 新モデルであれば省エネ性や操作性が優れている場合が多い
- 中長期で見たときの故障コストが安定しやすい
新品の注意点
- 初期投資額が高いため自己資金や融資計画が重要になる
- 人気モデルは納期が遅れることがあるため開業時期に影響する可能性がある
中古機器の初期費用(目安)と特徴
中古導入は初期費用を大きく抑えられる点が最大の魅力です。ただし、故障リスクとその対処費用を見込む必要があります。
中古導入の目安(同構成想定)
- 洗濯機(1台):約20〜60万円
- 乾燥機(1台):約15〜55万円
- 設置・工事費:50〜100万円(新品と同等の工事が必要な場合が多い)
合計(機器+設置・工事+その他):約200〜560万円
中古の長所
- 初期資金を大幅に抑えられ、開業ハードルが低い
- 早期に投資回収を目指せる
中古の注意点
- 保証が短い、あるいは付かないケースが多い
- 故障や消耗部品の交換による追加経費をあらかじめ見込む必要がある
回収期間シミュレーション:売上モデルを使って比較
回収期間(投資回収)は「初期費用 ÷ 月間利益」で概算します。以下は一般的な小規模店舗モデルを用いた例です。
売上・経費の想定モデル(例)
- 稼働前提:1台あたり1日5回転、1回あたり300円
- 台数:洗濯機4台・乾燥機4台
- 月間売上(計算):約48万円
- 光熱費・人件費・雑費等:月約15万円
- 月間利益(概算):約33万円
このモデルで回収期間を計算すると次のようになります。
新品の場合(初期費用 約600万円想定)
- 回収期間 ≒ 600万円 ÷ 33万円 ≒ 約18か月
- 中古の場合(初期費用 約300万円想定)
- 回収期間 ≒ 300万円 ÷ 33万円 ≒ 約9か月
このシミュレーションから分かることは、中古導入は初期費用が低いため回収が早いという点です。ただし、上記の月間利益はあくまでモデル値であり、地域や稼働率、価格設定、光熱費の実態によって上下します。
新品と中古、それぞれのリスク比較
投資判断では金額だけでなくリスクの中身も見極める必要があります。以下に主要なリスクを整理します。
新品のリスク(主なポイント)
- 高額な借入が必要な場合、返済負担が重くなる
- 納期遅延による開業遅延のリスク
- 初期の需要見誤りによる資金繰り悪化
中古のリスク(主なポイント)
- 故障・部品交換の頻度が高く追加コストが発生しやすい
- 保証が短い・無い場合が多く修理費が全額自己負担になる可能性
- 前使用状況により耐用年数が想定より短いケース
利益を安定化させる運用上のポイント
新品・中古のどちらを選んでも、投資回収を確実にするには運用での工夫が必要です。以下の点を実行することで、想定どおりの収益を維持しやすくなります。
運用でおさえるべきポイント
- 定期メンテナンスを計画して故障率を下げる
- 予備部品や修理予算をあらかじめ確保しておく
- 競合や周辺需要を踏まえた適切な価格設定で回転率を維持する
- 市場調査を行い、繁忙期に合わせたプロモーションを実施する
これらを守ることで、投資回収のブレを小さくできます。
選び方のまとめ:どちらを選ぶべきか
最後に判断の目安を整理いたします。
新品を検討すべきケース
- 十分な自己資金または安定的な融資が確保できる
- 故障リスクをできるだけ抑えて長期的に安定運営したい
- 新しい機能や省エネ性能を重視する場合
中古を検討すべきケース
- 初期投資を最小化して早期回収を目指したい
- メンテナンス体制が整えられる、または修理業者との関係を構築できる
- リスク許容度が高く短期でキャッシュフローを改善したい
最後に(実務的なアドバイス)
投資判断の前に、必ず具体的なシミュレーションを行ってください。初期費用・回収期間・維持費を三点セットで試算することで、融資借入額の妥当性や、キャッシュフローの安全余裕が確認できます。
中古機器は「早期回収」と「低初期費用」という大きな利点がある反面、故障リスクの備えが不可欠です。新品は初期の手間と費用が大きい代わりに、稼働安定性で安心感があります。最終的には、資金状況・事業計画・リスク許容度 に応じて選択することが重要です。
ご希望であれば、貴社の想定条件を伺えれば最適な機器のご提案も可能です。お気軽にお問い合わせください
コインランドリー事業 ノウハウ プラットフォーム 中古コインランドリー市場 相場


